とげとげ★先生の教育本フォトリー日誌

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第11回 研修報告「算数授業ICT研究会全国大会で伝説正木先生の授業を観た!」

68才、現役の教師を退いても尚、公開授業として教壇に立ち、その指導力を発揮する筑波大付属小元校長正木先生。

算数の世界では知らない人はいないことでしょう。

算数の達人として、前々からその授業を観てみたく、

ようやくここで念願叶い、ICT(インフォメーション、コミュニケート、テクノロジー)の全国大会の公開授業を観ることができました。

 

ICTとは、電子黒板を使って教育に改革を起こそうとしている研究会です。

イギリスではもう全ての教室にプロジェクターや自動スクリーンがあるそうです。

「文明社会の日本はまだ、黒板ひとつで授業に望んでいるのは時代錯誤であり、改革が必要だ」

ということで、IT機器(スクールプレゼンターやプラズマ電子情報ボードなど)を活用した授業実践を展開しているのです。

 

正木先生は、その電子黒板を活用した授業を公開しましたが、

その趣旨やよりも何よりも、授業がうまい!

子供を信頼していて、優しい姿勢から、授業を深める技術など、枚今日にいとまがないほどです。

しかも、その技術は観る側のレベルが低いと何をやっているのか、わからず見過ごしてしまうことが盛りだくさん。

こちらも真剣に授業参観に望みました。

私などまだまだ、算数指導技術はありませんが、その中でも自分になりに見えてきたことを授業に沿ってまとめます。

 

児童:筑波大学附属小学校3年生 授業者:正木孝昌先生 単元「長方形を切る」

 

はじめの段階

1 自己紹介

自己紹介ではゴリラ先生として歌を歌ったりと初めて会う子ども達の心をわしづかみでした。

 

2 問題提示

問題提示は、電子黒板を使って、小さくて見えない長方形を出しました。

子ども達は「見えない!見えない!」と興味津々です。

そこから大きな長方形へと変化させていきました。これも電子黒板ならではのできることです。

「長方形を切ってみよう」と電子黒板上ではさみ機能を使って見事切りました。

子ども達は驚きで拍手です。またその拍手を強制していたのも笑えました。

次に、代表で一人の子に実際に前に出させてやらせてみました。

授業が活性化していくのが手に取るように分かりました。

子ども達は言いたい放題です。「はさみを途中で止めてみたい!」

普段の授業ならば、聞き流してしまうことですが、正木先生はそのつぶやきを拾いました。

「どうなったらおもしろいの?」としっかりその道筋を子供に確かめていました。

残念ながら、機会の都合上、その機能はできませんでしたが、

子供からのアイデアをどんどん広い、つなげていこうとするアンテナの高さに驚きでした。

 

3 中心発問「半分に切ろう」

全員立たせました。

「みんな、半分に切りたい線を考えてごらん。その線が見えたら座ろう」

全員を同じ土台に立たせようとする指示でした。

全員座ったのを確認して、一斉にゆっくり切ったり、素早く切ったり授業にリズムをつけます。

その後、一人の児童に前に出てきて切らせようとしました。

そこでも、「ちょっとまて!どうするつもり!」と作業と中断させ、クラスの全員にその児童がやろうとしていることを考えさせます。この辺の技術もうまいです。

 

そして、出てきた切り方が以下の3つです。

① 長方形を真ん中で縦に切る「こうだいぎり」

② 長方形を横に切る「きりぎり」

③ 長方形を斜めに切る「きょう子ぎり」

全ての切り方に、発表した児童の名前をつけて、方法が児童に分かりやすいものとしています。

おもしろいことに、電子黒板上で切って二つになった図形をくるくるまわしたり、移動したりし、

半分になっていることを「重ねて」確かめました。

そのやりとりも、どこかとぼけていておもしろかったです。

 

しかし、「こうだい切り」が出た後すぐに、長方形を台形に切ろうとする児童が現れました。

その児童が前に来て発表しようとした瞬間、正木先生は発表を止めました。

「キミの方法はあとで見せてね」

と、黒板に「けいじ切り」と名前だけつけておいておきました。

ここの部分は、研究協議で反対意見がだされましたが、正木先生は

「ここでは、台形で切ろうとする「けいじ切り」を扱ってしまったら、まだ理解していない子はついてこれない!

ここでこの意見を扱うのは早いのだ!」と返していました。

なるほど、授業はできる子の一部で作り上げずに、全体の子ども達が徐々に理解を深められるように少しずつ進めていく。

そのプロセスをしっかり作っているため、けいじ切りをストップさせたのです。

勉強になります。

 

4 「この3つに無い方法で切ろう」

次に、長方形2枚を子ども達に配って、①~③の方法以外に切る方法を考えさせました。

カーブに切ろうとする子。雷のように切ろうとする子。様々の案がでました。

黒板だけの授業ではなく、ここでしっかり「ハンズオンマス」具体的操作をするのですね。

授業の作業バランスもすばらしいです。

しかし、正木先生は言います。

色んな意見が出てきてから、線の引き方を限定したのです。

「直線一本だけ!」

この技術もすごいです。

子供が「やりたい」という気持ちが出てきたところで、条件を限定することで、さらに挑戦意欲をかき立てるのです。

そして、全体に線が引けたかを確認しました。

挙手だけで終わらず、机間指導をし、まだまだ、直線で引けていない子へは具体的にフォローしました。

「キミの引き方大好き!愛してるよ!でも、今日は直線一本だけだよ」

この辺が温かいですね。子供の意見を決してムシせず、拾って方向付けしています。

 

5 「けいじ切り」登場!

この段階で初めて、「けいじ切り」を子供から発表させました。

そのほか、合同条件を、マス目を数えようとしている児童。

そこでも、ていねいに、周りの児童へ広げようとクラス全体の意見となるように聞き返すのです。

そして、「てんで違う切り方まだある?」と尋ねます。

すると、「まだある!ある!」と元気よく子ども達は半分ほど手を挙げます。

私は、時間がかかりそうだな?どうするのかな?と観ていると

「意見のある子は、隣の子へ教えてあげてな」と全体でシェアする時間としたのです。

そして、子供から意見が出てきました。

黒板を指さし、「どの切り方もけいじ切りになる」と。

その女の子は、横で切る位置をずらしていくと、どの切り方も長方形の横を切っている法則性に気がついたのです。

3年生ですよ。これには驚きました。

筑波小の日常の算数指導のたまものですね。

 

6 「重ねてみよう」

長方形を半分にする色んな切り方を振り返り、子供から「重ねたい!」と意見がでたようです(ここは聞き逃してしまい真sた)

そして、電子黒板で子ども達の切り方をパッパッパッパッと重ねて移すことで、あることが見えてきたのでした。

それは、「中心」です。

こどもは叫んでいました。

「中心を通ってる!」

どの切り方も長方形の対角線の交点、つまり、中心を通っていることを発見したのです。

そして、最後に長方形の性質にふれ授業は終わりました。

 

この流れを振り返っているだけで、あの場面がよみがえってきます。

最高の授業を見せてもらいもらいました。

正木先生はICTの授業としてはダメダメといっていましたが、それを加味しても私には大いに学びとなりました。

伝説の授業に、立ち会えたことでとても学びとなりました。感謝です。

 

筑波大学付属小の授業は本当にすごい。

授業後にパネラーが真剣に授業を斬り、それに授業者は応じます。

そのやりとりに誰もが熱中してしまいます。

 

初任者の時に指導者の校長より教わった問題解決型の算数授業の流し方。

前任校では、算数の型を一つ学ぶことで、安心して授業に望め、とても学びとなりました。

しかし、今回の研修から、

筑波の授業は子供の興味関心、思考の流れを視点とした授業の流し方にとても魅力を感じました。

型にはめる指導方法はなんだか子ども達に冷たい気がしてしまいます。

学習の効率化、タイムマネージメントとは別に、授業は心の通ったものだと思うからです。

今回の研修で大いに刺激を受け、教材研究に励み、自分なりの算す指導観を持ちたいと思います。

新しい教材提示ソフトも購入してしまったことだし。

(自腹とはいいソフトまで買ってしまうと大出費・・・。

いやいや、教育にけちけちしたり、お金の見返りを考えてはいけないのです。

松下幸之助のように、世のため人のため、使えるお金はどんどん使わねばですかね)

 

今日のICTとは異なり、明日から連続3日間の算数全国大会が始まります。

ここでの学びを2学期の算数にどんな風に生かせるか、自分の課題です。

体育などの技能教科指導で一つ、算数などの教科指導で一つ、そして、道徳、教育相談で一つ。

どの分野にも偏り無く指導力をもっている教師を目指します。

MM ICT

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