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98冊目! 「クラスはよみがえる」 ★★★★★

著者:野田 俊作萩 昌子
出版社:創元社
出版日:1989/06 ¥ 1,785

この本は、是非、紹介したかった本です。

今回でもう、何回読んだことでしょうか。

学級を経営していく視点をずばり、アドラー心理学の立場から痛快に切り込んでいきます。

 

アドラー心理学を学級経営に実践的に用いる具体的な手立て、そして哲学がながれています。

この本は、大まかに4部構成です。

1学校・教師の役割

2クラスの崩壊

3協力・積極性・責任の学ばせ方

4クラス作り


MM クラスはよみがえる




1学校・教師の役割

教育は4S(尊敬・責任・社会性・生活力)を育てることです。

クラス内の子ども達の関係には、縦関係の競争原理、横関係の協力原理があります。

この競争原理となっているときに、問題行動や不適切な行動が目立つようになります。



教師の役割には、ファシスト(ヒトラーのような独裁的教師)、アナーキスト(放任教師)、コーディネート(子どもと対等関係の教師)の3つがあり、コーディネート教師が望まれます。



2クラスの崩壊

学級に問題が発生するときは、クラスのマネージメントの問題であります。

つまり、学級経営に競争原理が働いてしまい、勝ち組と負け組に分かれてしまい、子ども同士が協力を学べない状態となっています。

ここで不適切な行動を起こす子ども達は5つの段階を追って悪化していきます。

1いい子を演じてほめてもらうとする段階(健全な子はほめられることなく自立して行動をおこせるからです)

2ほめられないなら、注目を引く行動を取る段階(授業内での立ち歩きや私語など)

3教師との権力闘争(先生より強ければ認めれもら得るぞ!)

4復讐の段階(権力闘争でも負け、あとは復讐しかない!ダメージを!)

5無気力の段階(何をやっても無理、もう無気力の段階)

この段階全てに通じていることは、学級内での「居場所づくり」、所属意識です。

クラスの中に自分の居場所を見つけようと、ほめられよう、騒いで注目されようとする。

アドラー心理学では、このような理解をするのです。



3協力・積極性・責任の学ばせ方

では、どのように子ども達に協力、積極性、責任を学ばせるのでしょうか。

協力を学ばせるには、子どもとの関係が「対等」であることが大切です。

教師と生徒児童という役割が違うのであって、人として尊敬に値する存在であり、平等であることを教えるのです。

ですから、命令口調は使いません。

「~してくれませんか?」と「お願い口調」を使います。

これは、とても有効です。

威圧的にならず、かつ、子どもに選択できる力を信じ、尋ねていることとなるからです。



そして、「してもらうこと」ばかり考えるのではなく、

自分が友達や学級のために「してあげられること」へとシフトしていくのです。



積極性を学ぶにはどうすればよいのだろうか?

それは、「勇気づける」ことです。

アドラー心理学では、ほめることをしません。

ほめること自体、上下関係の縦のつながりとなってしまうからです。

ほめるかわりに、「感謝」をつかうのです。

「ゴミを拾ってくれて、ありがとう」「落ち着いて話を聴いてくれて嬉しいよ」です。

ほめられる場面でしか、ゴミを拾わなかったり、話を聴かない人間となってしまうからです。

感謝の念を感じて育った子は、けっして誰も見ていないところでも、ゴミを拾ったりする「勇気」が育っているものです。

この辺が、アドラー心理学のクセのあるところで、私個人としてはおもしろく感じてしまうところです。



責任は学ぶにはどうしますか?

失敗したときに、結末を体験させるのです。

忘れ物をして不便を感じるような、「自然の結末」を取らせるとき。

ルール違反をしたときの「社会的結末」と取らせるとき。

このまま続けていると、「こうなってしまうよ」と自然の結末や社会的結末を教えたりする「論理的結末」があります。

教師は、このプロセスを通して、失敗から責任を学ばせるのです。

しかし、失敗した子どもを決して責めるのではなく、考えさせるのです。

そして、周りの子ども達には、「あなたたちには何ができる?」「仲間に入れてあげるにはどうする?」と

個人の問題をクラス全体の問題として広げていくのです。

この辺はテクニカルなため、よく本書を読んでいただきたいです。



4クラス作り

民主的なクラスを運営するには、「クラス会議」や「オープンカウンセリング」を用います。

私自身もよくやる手です。

「クラス会議」では、ルールを作ったり、問題が発生したときは、クラス全体のものとしてとりあげ、

輪になって一人一人に意見を聞いていくのです。

その中で、実行できそうな案を選びながらルール作り等をしていくのです。

「オープンカウンセリング」では、問題を起こしてしまった子どもと二人の対話をクラスに聞いてもらうのです。

問題を共有しながら、他の子ども達にも、援助を求めるのです。



この本は、とても内容が濃く、この1冊で十分学級経営の実践方法も学べます。

しかし、今までの自分のスタイルを180度転換しなければ、ただの技法で終わってしまうことも事実です。

このアドラー心理学の背景を理解した上で実践化するとされに効果が期待できます。



学級経営を父性的な規律面でのかかわり、母性的な心の通ったかかわりの2面でとらえるQUは

父性、母性の2軸のマトリックスです。

アドラー心理学は独自の教育理念、教育哲学をもつことで、技術が支えられています。

このように、教師は理念とそれを体現化する技術こそ、教師には大切でしょう。



私自身、アドラー心理学全てを受け入れているわけではありません。

この手法は、うまいところだけを上手に活用しようとすると、やけどをすることがあります。

今までの教師哲学の転換をせまられることや(柔軟な人はいいですけども、最近こだわりがでてきている私は・・)、

じっくりと学級の雰囲気を創っていくので、即効性のある技法とはあまりいえません。

それに、子ども達自信、競争原理で育ってきている現状のため、

アドラー心理学的なかかわりが子ども達に浸透して行くには時間がかかるところが懸念されます。

しっかりとアドラー心理学の背景を知った上で、適用、応用していくことをおすすめます。



デメリットと、メリットを総合して考えると、取り組んでみる価値は十二分にあります。

ご自身の教育理念の幅を広げるよい機会となります。

私個人をしては、とてもおすすめです。どうぞ、一読ください。
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